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2017年4月

2017年4月 8日 (土)

“Alternative Fact(s)”?

『サンデー毎日』4月16日號に、なかにし禮がジョージ・オーウェルの小説『一九八四年』を出しにした駄文を「特別寄稿」してゐる(38-41頁)。異論は色々あるが、事實關係について一點だけ述べる。なかにしは言ふ。

この大統領〔ドナルド・トランプ〕は自分にとつて不利益な情報はすべて「フェイクニュースだ」と斷言して無視し、逆に自分にとつて都合のいい僞情報をばらまき、それを「もう一つの眞實」だと言つてのける。この「もう一つの眞實」(オルタナティブファクト)といふ言葉自體がオーウェルが『一九八四年』の中で用ゐた造語である。そのことをトランプ大統領とその側近が知らないはずはなく、知つてゐて使つてゐるとすれば、ブラックジョークどころか惡質な居直りであり、恐怖政治強行宣言である。(38頁; “Oldspeak”に變換して引用)
 George Orwell, Nineteen Eighty-Four の一體どの件りに、“alternative fact(s)”なる語句が出て來るのか? 實際に登場するのなら、是非とも具體的な箇處を明示して貰ひたい。もし存在しないのであれば、「トランプ大統領とその側近が知らない」のも當然であり、上記の一節こそ“fake news”に他ならぬ、といふ事になる。

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